Ko200225
24/29

五頭山の麓に広がる笹神地区で、日用品としての器作りを行う「宮下窯」。阿賀野川が運んできた良質な粘土を使って、色とりどりで形や大きさもさまざまな器を作っている。「原料が豊富なこのあたりには、かつていくつもの窯があったんですよ」と、教えてくれたのは陶芸作家の渡部久男さん。新潟県の安田焼、福島県の会津本郷焼、そして茨城県の笠間焼、3つの産地で陶芸を学び、25年前に自身の窯を開窯した。渡部さんに「宮下窯の作風とは?」と尋ねてみたところ、微笑みとともに返ってきた言葉は「作風…まだそれがわからないんですよねぇ」。25年経った今も日々進化、日々挑戦。特に、釉薬をかけず高温で焼成する「焼締め」といった技法で作る器は、毎回焼き上がりが異なり「思い通りにいかなくてやめられない、また焼きたくなる」のだそう。土の肌が直に伝わる荒々しさが美しい焼締めから、水面を彷彿とさせるような青い線が散りばめられた飛び鉋、やわらかな色彩を放つ釉薬の数々…工房には個性豊かな器や花器が並び、お気に入りの一点を見つけたくなる。価格も小皿600円程度、ご飯茶碗1300円程度と手を伸ばしやすい設定なのがうれしい。手に取ってみると、土の重みは感じるものの、決して重すぎず、女性の手にも収まりやすい形と大きさ。素朴で温かみのある器は作り慣れた普段のごはんによく似合う。気取らず使える宮下窯の器を毎日の食卓にぜひ。普段ごはんによく似合う気取らない器の数々ササカミヤキPottery_第4回□ 陶器□ 磁器□ ガラス□ 漆器エメラルドグリーンの釉薬とやわらかな白い釉薬のコントラストが美しい手びねりの角鉢(2,800円)。「グリーンと黄金色がよく合うと思って」と、おいなりさんを盛り付けるアイデアは渡部さんの奥様によるもの。おそろいの箸置き(100円)と湯飲み(800円)も添えて。新潟の地で作られる器を季節の料理とともにめぐります。  70Type_笹神焼宮下窯

元のページ  ../index.html#24

このブックを見る